*音楽を聴くように、詩をお読みください  〜 作者より 〜    

『 The Quiet of Blue 』の作品の紹介です。 
   

その5

女の素描(スケッチ)   (take2)


海岸を 歩く美女が口ずさむ  和歌の波動が潮風に
そっとのって海面の   光の花弁と混じりあい
夏の正午のひと時を   華麗に彩る光景を
見つめながら濃いブルーの   サングラスをそっと取り
軽く口に挟んだ後   頭部にさして瞼を閉じ
そのブラウンの長い髪が   風に「ふわっ」と揺れながら
描いていくやわらかい    曲線のなかに秘めらる




詩(うた)の和音の煌きに    酔いしれながら寝転んで
藤で編んだ自家製の   バッグのなかからグリーンの
瓶に入れた地ビールの  栓を開けて口をつけ
一口飲んで楽しむ   麦の美妙なささやきが
舌で奏でるメロディーに   潮騒の音が心地よい
アクセントをつけ消えていく   そのひと時に流れた
時間(とき)の小川(ながれ)に身をゆだね  立ち上がって深呼吸を
軽くした後歩いていく   海岸からみた遠方の
ヨットの白い帆が魅せる    潮(ブルー)と光の協和音に
クスクス微笑みブラウンの    髪を器用にまとめ上げ
ポニーテールにして「さっ」と放す