青のリーラ

 * 平成21年、所沢のギャラリーアダマでお花の個展を開きました。

     ととろの森の近くにあるそのギャラリーは陶芸家の
     今泉兼満さんがオーナー、
     その近くは私にとってもとても縁の深い場所、
     若かりし頃通った高校がすぐ近くにあって、
     そして今はその近くに高齢の母がいます。
     母のいる場所の近くで作品展が出来ると思った時には、
     もう決定していました。 
     奥様とも話が弾み、今泉さんも快く会場を提供してくださり、
     久しぶりの作品展ができました。

     下の写真はその時の様子です。 

          

   
     水盤を使って、花留めに何も使わず自然のままに
     植物の枝に寄り添わせて生けました。


   骨董のお菓子の抜き型の上に、昭和初期の山水のお猪口、
   縦長の花器は今は亡き義母から譲り受けたものです。
   なんとなく古めかしい器達に洋花を入れました。



青のリーラのタイトルについて、

  青は伊藤彰規氏の絵画「夏の影」からイメージが浮かび上がり
  リーラは玄侑先生の『リーラ 神の庭の遊戯』 から頂きました。

  リーラとはサンスクリット語で 
  揺らぎ、遊び、愉しみ、、、などという意味があります。

  玄侑先生はこの時作品展に寄せて
  素敵なメッセージをくださいました。




   神の庭では、なにが起きても不思議はない。
   波乱も「乱」ではなく、矛盾すらそこにはない。
   「青」というリーラ。
   「心」を交えれば「情」になり、
   「水」に映せば「清」、見つめる「目」は「睛」。




あの日から既に2年経ちました。ギャラリーをオープンしたり、震災も経験しました。
沢山の知識のある先生ならではのこのお言葉から、多くのエネルギーを頂きました。


  先週のある日、所用があって所沢に出かけ、
  予てからお願いしていました花器を受け取りに、
  ギャラリーアダマに立ち寄りました。
  工房で作業中の今泉さんとお話ししている中、
  船山滋生さんが亡くなったことを知りました。
  船山さんは朝日新聞の声欄の絵を担当されていて、
  今泉さんの親友とお聞きしていました。
  5月に伺った時に最近朝日新聞の声欄の船山さんの絵が
  無いことが気になっていますとお話ししましたところ、
  体調が思わしくないということでした。
  そして末期がんで5月28日にお亡くなりになったことを聞きしました。
  63歳だったそうです。
       ご冥福をお祈り申し上げます。
  ギャラリーアダマでは船山さんの鉛筆画の原画展を何度か
  開催されていますが、丁度「青のリーラ」の作品展の直後にも開催されました。
  その時ギャラリーに展示されていたのが、下の「田植え」でした。
  素朴な絵の中に自分の名前が隠されていて、思わず予約をしました。
  船山さんのサインも頂いて、今となっては大切な品となりました。



   
  

  船山滋生氏の鉛筆画  原画です。
  明日荷のギャラリー内に展示してあります。






貴重な自筆のサインを頂きました。


 













船山さんの声というタイトルのご著書です。

帯文が素敵でしたので、はずして写真をとりました。
やはり「青」でした。
長野県東御市にお住まいで、信州の自然を描かれ読者を楽しませてくださいました。   







船山さんの絵はギャラリーアダマでお求めになれます。

 ギャラリー アダマのホームページです。
http://www.adama-k.com/

 アダマのブログには船山さんのことが書かれてあります。




ギャラリー アダマとは大地という意味があるそうです。
陶芸家の今泉さんは、もともとフルート奏者だったそうです。
そしてフルートを製作する会社で技術者として活躍され、多くの方を育てられたそうです。
昨年ご退職を機にヨーロッパへ1か月ほど行かれ、その時指導されてきた方にお会いして
らしたそうです。   ブログの記事から素敵なヨーロッパ旅行の様子が伝わってきます。
陶工房の片隅には譜面台が置いてあり、いつにか明日荷のギャラリーでも
今泉さんのフルートの音色を聞かせて頂きたい、、と
お願いして帰ってきました。